滞納している借金を一括で返すように貸金業者から求められたらどうすればいい?

貸金業者からの借金を長期間滞納していると、ある日突然、一括での返済を求められることがあります。その場合、貸金業者に対してどのような返事をすればいいのか迷うかもしれません。しかし、まったく返事をしないと貸金業者はより一層、厳しい取り立てをしてくる可能性があります。

一括返済を求める貸金業者の真意はどういうものでしょうか。また、どういった対応が可能でしょうか。

滞納者に連絡させることを当面の目的として貸金業者は一括返済を求める

そもそも、貸金業者はなぜ借金を延滞している顧客に対して強硬に一括での返済を求めてくるのかというと、基本的にはプレッシャーをかけるためです。参考資料-借金|アディーレ法律事務所

貸金業者にとって一番困るのは、「もう返せない」と開き直られて、踏み倒しを図られることです。法律的には、「借りたお金を約束通りに返済しない人がいる」と警察に訴えたとしても、逮捕させることはできません。債務不履行罪というものは存在しないからです。

返済することは不可能とあらかじめわかっている上で貸金業者からお金を借りた人は、返済するという嘘の意思を示して契約を結んだということで詐欺に問われる可能性はあります。しかし、それでも「始めから返済する意思がない」ということを立証するのは非常に難しく、100万円を借りて1万円だけでも返していれば、返済する気はあったということで罪に問うことはまず無理といえるでしょう。

客の中には、返済しなくても逮捕されるわけではないし、電話には出ず、貸金業者が家にきても居留守を使えばいいと、督促を完全に無視する人も少なくないのです。そういった人に返済する気を起こさせるには、できるだけ強い言葉で督促をするしかありません。

そのため、至急、一括返済するようにという督促状を送って刺激するわけです。もし、一括返済を求められたことで滞納者が不安に陥り、「一括での返済はとても無理だがどうすればいい」といった電話をかけてきたら、貸金業者としてはしめたものです。

「分割で返済する気があるなら、毎月いくら払えるのか」といったことを聞き、少しでもお金を払わせることができるかもしれません。貸金業者にとって理想的なのは、一括返済という文言を見て怖くなった滞納者が親などに相談し、親がお金を用立てて返すという流れです。

実際、厳しい取り立てによって精神的に追い詰められた滞納者が親に泣きついて返してきたということはよくあります。つまり、貸金業者とすれば一括で返済しろとはいうものの、まずは滞納者から反応が得られればいいのであり、最終的に分割返済で落ち着いたとしても構わない、本当に一括で返済されたら儲けものということです。

少しずつでも返せる収入があるならそれを伝えよう

では、債務者は貸金業者から一括で返すように求められた場合、どうすればいいのでしょうか。借金を返さなくなった場合の、貸金業者の動きには段階があります。最初に電話をかけてきて、次に郵便で督促状を送ってきて、それでも反応がないと一括返済を求めてきて、そのあと、法的手段に出ると警告してきて、場合によっては債務者の家にやってきて、最後は裁判です。

一括返済を求めるというのは、段階としては真ん中辺なので、そこからすぐに裁判を起こされるといった心配はまずありません。したがって、あわてずに落ち着いて対処しましょう。まず、毎月、少しずつでも返済できる収入があるなら、督促状に記されている連絡先に電話をして、それを伝えるといいでしょう。

銀行や大手の消費者金融であれば、「一括返済でない限り、交渉に応じない」などと突っぱねてくることはまずありません。おそらく、法定利息上限の利率をつけての分割返済を提案してくるはずです。たとえば、50万円を一括で返すように求めてきていたのであれば、その50万円に年利18パーセントの利率をかけたお金を、一年から二年程度で返すようにいってくるでしょう。

もし、それで構わないというのであれば応じて、返済を始めましょう。

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収入がまったくない場合は連絡してもどうにもならない

収入がほとんどないか、まったくないかのどちらかで、少額であっても返済に回せるお金はないというのであれば、基本的に貸金業者に連絡したとしても、どうにもなりません。仮に、貸金業者が「毎月一万円でもいいので払ってください」といったとしても、その一万円が用意できないというのであれば、業者はそれ以上、強硬に返済を求めることは難しいからです。

貸金業者のイメージとして、収入がなくてお金を返せない人には、働き口を紹介して働かせ、給料から天引きする形で債権を回収するというのがありますが、こんなことをしてくるのは闇金業者だけです。仮に、テレビでコマーシャルを流しているような大手の貸金業者が、滞納者に対して「返せないなら風俗で働け」といって、それを録音されて金融庁に通報されたら、業務停止処分を受ける可能性が高いでしょう。

数十万円の債権を取り立てようとして、半年や一年の業務停止処分を受けてしまったら、損害は何億、何十億です。そんなことにならないよう、正規の貸金業者は基本的に返済できそうな人を相手にします。そのため、収入がない人には、時効にならないよう、定期的に一括返済を求める督促状が送られてくることはありますが、それ以上の取り立てが行われることはほとんどありません。

したがって、本当に返済できるお金がないのであれば、そのままなにも連絡しないというのもありです。ただ、気をつけなければならないのは、時効の成立を阻止するという理由で、いずれ裁判を起こされる可能性はあるということです。

裁判で一括返済を主張されても回避できるかもしれない

では、裁判を起こされた場合はどう対応すればいいのでしょうか。この場合でも、まだ一括返済を回避できる可能性はあります。裁判所内の部屋で行われる債権者か、もしくはその代理人との間で行われる話し合いで、分割での返済ということで話をまとめられるかもしれないからです。

債権が債権回収業者に移っていたら大幅に低い金額で解決できるかも

債権が貸金業者から債権回収会社に移り、そこから一括返済を求められることもあります。ただ、債権回収会社は貸金業者から債権をそのままの金額で買っているわけではなく、かなり安く買っている可能性が高いです。たとえば50万円の債権をその10分の1の5万円程度で買っていることも十分あり得ます。

長期滞納者の債権は取り立てが困難なためです。

そのため、債権回収会社に対して値切ることで、とても低い金額での一括返済が可能になるかもしれません。